とりあえず萌えたものについて書いてこうかな
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すいません、以下 まくろすFからオズマ×キャシー(笑)
すんごい需要ないとおもうから心苦しい(すいませんTT)
目を閉じると、瞼の裏に浮かんでくる。
銃殺された己の父の姿。
大統領となったその日から、もしかしたら、そんな日が来るのかもしれないとキャシーはどこかで思っていた。
でも、そんな日が来ない方が当たり前だと、信じて疑わなかったのもまた、事実だった。
父は、確かに決断力とカリスマに富んだ大統領だったとはいえなかったかもしれない。
でも、少なくとも、フロンティアの人々には、好かれていたとそう思う。
穏やかに笑う、父の姿。
「眠れないのか?」
「・・・・・・・・・・」
フロンティア船団が史上まれに見る大打撃をバジュラから受け、グラス大統領の死亡が報道されて二日。レオンが新大統領となってからこっち、キャシーは真実をともに暴いた戦友と、ひたすらフロンティア内を逃げ続けていた。
どこまでか味方で、どこからが敵なのか。
SMS内部はどうなっているのか。
ただひとつの望みたるクオーターに、戻りたくても手段がない。
自分たちが所属していたあそこは少なくとも、自分たちをレオンにつきだしたりはしないだろう・・・・・という、極めて曖昧な希望をもって二人は逃げ続けているのだ。
知ってしまったこと、見てしまったことを、なんとか伝えるために。
周囲にはうっそうとした木々が覆い茂り、ごろごろして背中に痛い地面に体を横たえていたキャシーは、声のした方に寝がえりを打った。
銃から手を離さない男が、焚火の向こうからこちらを見ていた。
「ええ・・・・・まあね。」
ぽつりとこぼして、キャシーは体を起こし、枯れ葉と土埃に汚れた髪の毛を、鬱陶しそうに払う。真っ白だった制服は、爆炎や汗や、泥や、なにやかにやで汚れて気持ちが悪い。
知らず知らず溜息が洩れ、顔がしかめっ面になる。
「寝られるわけがない、って顔してるな」
じっと己の手を見つめているキャシーに、からかい半分にオズマが告げ、むっとした表情のまま彼女は顔をあげた。
「シャワーにでも入りたい気分だわ。」
「何もかも、洗い流したいって?」
再び笑いながら言われ、キャシーは黙って地面を見つめた。
俯いた彼女の肩が、異様に細く見えてオズマは慌てて「すまない」と謝罪する。顔をあげたキャシーが、ちょっと困った風に笑った。
「別に、オズマに謝ってもらうことじゃないわ。」
「・・・・・・・・・・」
そのまま、ふーっと溜息をついて、彼女は空を見上げた。環境統制がとれているのか、明かりの落とされた現在は夜で、空に広がるガラスの向こうに、星の海が見えた。
「洗い流せるのなら・・・・・レオンの記憶を抹消したいわ」
「・・・・・・・・・・」
「野心家で、そこがいいかなって思った、って話、したわよね?」
ちらりと男を見れば、複雑な顔でオズマが頷く。
「俺とは違ってね」
「・・・・・」
苦く笑い、キャシーは自分の制服を引っ張るようなしぐさをした。
「この制服を着た彼が、どこまで上り詰めるのか興味があった。彼は上昇志向が強くて・・・・・周りと穏やかに話をするのに、どこか人とは違う考えや意見を持っているんだっていう雰囲気が見て取れた。」
野蛮な暴力に走ったりしないのよ?
イタヅラっぽく首を傾げるキャシーに、オズマは複雑な顔をする。それを見つめながら、彼女は楽しそうに続けた。
「デートだっておしゃれな所に連れて行ってくれたし・・・・・いろいろ、趣味だって高尚だった。私は、そんな彼と一緒にいて、彼に認められた女だって思って、うれしかったのよ」
ガラスの靴を、履けなかった私にも、彼のような王子様が現れるなんて。
「でも、結局は私は単なる、大統領令嬢ってだけだったのよね。」
野心家で、高みを目指して。そのステップのひとつに、現大統領令嬢との婚約があったのだ。
「そんなことはないと、彼の言葉から思い込もうとしてたんだけどね・・・・・」
愛してるとか、好きだよとか。
買ってくれるもの、連れて行ってくれたところ、しぐさ、扱い、そのなにもかもからそう判断したかった。
「好きだったのか?奴のこと。」
静かに聞かれて、キャシーは空を仰ぐ。
彼と体を重ねてみて、どうだったっけ?
「さあ?・・・・・私はシンデレラ気分だったから・・・・・覚えてないわ。」
魔法が解けて、それでおしまい。
残ったのは、空虚な思いと、それから・・・・・
ぎゅ、とキャシーの手が、己のスカートの膝のあたりを握りしめ、うつむいた彼女の肩がかすかに震える。
「少なくとも」
そんな彼女の、痛みをこらえるようなしぐさを、そっと見守りながらオズマが口を開く。
「嫌いじゃなかったんだろうさ。」
お前はそういう女だよ。
「勝手に決めつけないでくれる?」
思わず激しい口調でそう言い、キャシーは立ち上がった。
「あんな人・・・・・」
「そうじゃない時もあった。」
「間違えたのよ」
「でも、その時は本気だったんだろ?」
「・・・・・・・・・・」
ぐ、と手を握り締めて、睨みつけるように、挑みかかるようにオズマを見詰めるキャシー。その彼女を、彼はじっと見詰め返していた。
「だから、キャシー。お前の所為じゃない。」
静かに放たれた、オズマのセリフに、はっとしたようにキャシーは目を見張った。ぐらりと、身体がよろける気がする。それを見たまま、オズマは小さく笑って見せた。
「お前がアイツをひきこんだんじゃないし、アイツはきっと、止められなかった。」
「・・・・・・・・・・」
「お前はただ、あいつ・・・・・レオンを愛して、そして、裏切られただけだ。」
「愛してなんか・・・・・」
思わず震えた声で言うキャシーに、オズマは首を振る。
「それは今出た答えだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「その時は、確かに、好きだったんだろうさ」
じゃなきゃ、お前が男と付き合うわけないもんな?
「・・・・・どういう意味よ」
思わず半眼になるキャシーに、オズマは笑う。
「そういう女だって、俺は知ってるからさ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
好きだった。
たぶん。
きっと。
その気持ちが、ほんの数パーセントでもあったから、自分はレオンと付き合ったのだろう。
肩書きに惚れて、彼と一緒にいる自分に夢を見て、野心家の彼の、上昇志向にうっとりして。
そんな中身だったかもしれないけど、それでもそれは、「好きだった」理由の一部となるのだろう。
「だから、自分を責める必要はない。レオンが、最低の男だって言うだけの話だ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あなたもね、オズマ」
「え?」
思わず顔を上げるオズマに、同じように顔をあげたキャシーが不敵に笑って見せた。
「あなただって、じゅーぶんに最低の男だったわよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
デートのドタキャンは日常茶飯事。
どんなときでも妹命。
一体何回、自分は彼の所為で振り回され、腹を立て泣いたことか。
今だって恐らく、ランカを抜ける位置に自分は居ないだろう。
苦苦苦しく笑うオズマから、ふいっと顔を反らして、キャシーはすたすた歩き出す。
「おい!?」
慌てて体を浮かせるオズマに、背中を向けたまま、キャシーは手を振った。
「私って、ほんっと男運がないわよね。」
「・・・・・」
「というわけで、過去を洗い流してきます。」
そのまま、水の流れる音のする方に歩いていく。水質検査は、逃走するとき施設ないからかっぱらってきた避難用バックパックに入っていたキットでチェック済みだ。
勢いよく靴を脱ぎ、ストッキングを脱ぎ棄て、ためらう間もなく上着を脱ぐ。
そのまま、どんどん服を脱ごうとして、後ろから手を掴まれた。
「ちょ!?」
「このまま入っちまえよ。」
「はあ!?」
振り返れば、にやっと笑った男が立っていた。腰を抱かれて、そのまま夜の闇に蒼く沈んだ浅瀬に引っ張り込まれる。
「ちょ!?」
水しぶきが上がり、Yシャツとスカート姿のキャシーが、太ももまで水に浸かって立ち上がった。
「オズマ!!!!」
目が怒っているが、それを気にするでもなく、彼は笑って女を捕まえると抱きしめた。
「俺も、いいかな」
「はあ?」
ぎゅううう、と抱きしめられて、濡れたシャツ越しに、触れる彼の体温が熱い。唐突に心臓が騒ぎ始めて、キャシーの頬が熱くなった。
「水に流していいか?」
「・・・・・・・・・・」
何を?とかすれた声でキャシーが尋ねる。耳元に唇を寄せた男が静かに答えた。
「お前と別れた経緯」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ふと腕が緩み、顔をあげるキャシーを、ひどく真面目なオズマの瞳が覗き込んでいた。
魅せられたように、女の手が持ち上がり、濡れた彼の頬に添えられる。
細い細い、彼女の指先。
「どうせ、緊急呼び出しがかかったら、出て行っちゃうんでしょ?」
「そうだな。」
でも、今は違うぞ?
圧し掛かる男は、己を見上げる、ずっと惚れていた女に小さく笑って見せた。
「おまえを連れて、出かける。」
水しぶきが小さく上がり、冷たい唇を感じながら、キャシーはぎゅっと彼のシャツを握り締めた。
そうだった。
自分たちは、今、同じ位置にいるんだった。
深く深く甘い口付け。
冷たい水に己のすべてを流しきって、二人はもう一度、ここから始めることにする。
長い長い夜の果てにある、小さな希望をつかむために。
このあとはご想像にお任せしまふ・・・・・
てことで、超超マイナーな二人を自家発電してみました orz
あー、でも好きだなぁ・・・・・やっぱりこの二人><(自分で、っていうのが悲しいっすTT)
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