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とりあえず萌えたものについて書いてこうかな
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 てなわけで、超需要度が低い(笑)輝未沙で!

 ちゃんと観てないので(は?)いろいろおかしな所があると思うので、先に謝っておきます、ごめんなさい











「少佐、このあと、ちょっと出かけませんか?」
「え?」
 モニターの向こうでそう告げる、スカルリーダーに未沙は目を瞬いた。それと同時にどきり、と心臓が強く鳴る。
 バルキリーがそのまままっすぐこちらに向かってきて、未沙は慌てて誘導を開始しながら、こっそり尋ねた。
「どういう風の吹きまわし?」
 思わずそう言う上官に、一条輝は「ひどいなぁ」と顔をしかめた。
「俺から誘うのってそんなに変?」
「そうじゃないけど・・・・・」

 うろーっと視線を逸らす彼女に、見つからないようにちょっと笑うと、輝は「18時に官舎の出口で」とだけ言うと、あっさり通信を切ってしまった。

 今日も何事もなく、周辺地域の見回りは終了する。何事もないということは、それだけ司令部の未沙の仕事もないわけで。
「お疲れ」
「お疲れ様」
 ふーっと両手を上に伸ばすクローディアを横目に、未沙はそそくさと帰り支度を始めた。
「あら?早瀬少佐。今日はもうお帰りですか?」
 からかうように言われて、未沙は「ちょっと用事が出来て」と奥歯にものの挟まったような言い方をした。
「用事?」
 にっこり笑うクローディアに「大したことじゃないの。」と後ずさりながら告げ、未沙は慌ててそこを飛び出した。

 18時まで、あと15分。

(一条君ったら、そのまま来るつもりなのかしら)

 ああ、でも彼は男だし、ざっとシャワーでも浴びてしまえばそれでおしまいなのだろう。比べて女である自分は、用意に時間がかかる。
 空調はそれほどきつくないとはいえ、化粧だって崩れてるだろうし、汗だってかいてると思う。そもそも今日はどんな格好をしてきてたっけ?

(ああああ、もう!どうしてもうちょっと早く約束を取り付けないのかしら)

 とにかく、化粧だけでも直そうと施設内を一心不乱に歩いていると。

「少佐」
「!?」

 着陸し、さっさと用意を済ませた男が廊下の向こうで手を振っている。

「よかった。間に合った。」
 時間に遅れるといっつも小言の嵐だもんな。

 笑顔を見せる輝に未沙は反射的に背を向けた。

「?」
 え?

 その様子に怪訝そうに眉を寄せる。だが、未沙は彼を見ないまま、「ちょっと待ってて」と小声で告げた。

「何で?」
 近づいてくる足音が聞こえる。未沙は慌ててもと来た道を引き返しだした。

「少佐!?」
 歩調が上がる。
「だから、待っててって言ってるじゃない!」
「なんでだよ?せっかく俺、すんげー急いでシャワー入ってきたのに?」
 未沙に早く会おうと思って。
「ですからっ!」
 それに、輝を振り返らない未沙が悲鳴をあげた。
「ちょっと待ってって言ってるの!」
「待てない。」
 とうとう追いついた輝が、未沙の細い手首をつかんだ。
「何怒ってるの?」
「怒ってません!」
「怒ってるだろ?その口調」
「だから、怒ってないっていってるじゃない!」
「だったらなんでこっち観ないんだよ!?」

 思わず力を込めて引き寄せれば、バランスを崩した未沙が輝の方に倒れ込んだ。

「早瀬少佐!?」
 腰に手をまわして抱きとめれば、尚俯く未沙の、後頭部が見えた。
 はーっと彼は溜息をついた。

「わかったよ。」
 ぱっと手を放し、輝はくるっと未沙に背を向けた。
「そんなに嫌なら、最初っから言えばいいだろ。」
「え?」
 今度は輝が未沙に背を向けて歩き出す。
 彼に抱きとめられて、ふわりと鼻先をかすめた石鹸の香りに、一瞬で思考が停止した未沙は、離れていく輝に慌てた。
「ち、違うのよ!」
「何が?」
 投げやりな、ぶっきらぼうな口調。それに、未沙はぎゅっと手を握り締めて、「違うの」と声を振り絞った。
「だって・・・・・私・・・・・」
「?」
「一条君と違って・・・・・あの・・・・・」
「違って?」
「準備とか終わってないし。」
「準備?」
 振り返り、首を傾げる輝に、未沙が顔をあげた。ほんのりと頬が赤く染まっている。
「だから、準備!」
 輝だって、きれいな方がいいでしょう!?
「・・・・・・・・・・」

 目が点になる輝に気づかず、未沙は「一条大尉!」と彼に人差し指を突きつけた。

「入口で待機しててくださいっ!」
 すぐに行きますからっ!

 それだけ告げて、未沙は大慌てで廊下を走り去っていく。

 呆けたように、そんな彼女の姿を見つめていた輝は「なんなんだ?一体」と反対側に首を傾げるのだった。





「なんだ、そんなこと?」
「そ・・・・・そんなことってどういう意味よ!」
「だって・・・・・俺、未沙の顔なんか、しょっちゅう見てるけど?」
 モニターで。
「モニター越しとは違うのよ」

 二人ですっかり暗くなった道を、マクロスシティの中心部に向けて歩いている。
 どこかに食事にいこうか、ということになったらしい。

「そうかな・・・・・」
 ライトアップされた道は、オレンジの灯が揺れて幻想的で、その中にいる未沙は普段、モニターで見つめるより数倍綺麗だった。
「十分綺麗だけど?」
「え?」
 うーん、と真剣に何が違うのか、未沙を眺めて考える輝は、自分で言ったセリフの重大さを理解していない。対して、言われたほうの未沙は、見つめてくる輝にどぎまぎする。
「だ・・・・・だって、お化粧とか崩れるものなのよ、女の人は」
 そんな輝の視線から、己を隠すように顔をそむける。
「そんなもんかなぁ」
 対して輝はのんびりした口調でそんな感想を漏らしていた。

 そうよ。だいたい、今日の服だって・・・・・私的にはいまいちなのに・・・・・

 珍しく早朝に呼び出されて、慌てて出てきた所為で、その辺にあったブラウスとスカートを着てきただけである。
 世界は春の兆しを見せているというのに、今日着ているのは厚手の灰色のスカートに、同系色のブラウスなのだ。

(もっと明るい色が良かったな・・・・・)

 コートの前を合わせながら、道行く女性が着ている、春色の衣装にちょっと落ち込む。活動を再開したミンメイが、この間の歌番組で着ていた服は、春らしい、ふわりとしたワンピースだった。

(あれが似合うような容姿じゃないけど・・・・・)
 せめてもっとおしゃれな・・・・・

 だんだん楽しくない気分になっていく。そんな風に落ち込んでいると、彼女をじーっと眺めていた輝が、未沙の腕をとった。はっと彼女が我に返る。

「食事に行くのやめて、俺ん家くる?」
「え?」
 思わず眼を見張る未沙に、輝が屈託なく笑った。
「久々に、未沙の手料理食べたいし。」
「え?」
「だめ?」
 額が触れあうくらいに顔を寄せられて、未沙の頬が真っ赤になった。
「だ、だめじゃないけど・・・・・」
 慌てて輝の胸板を押せば、「じゃあ決まり」と未沙の手を取って、来た道を逆方向に歩きだした。
 ぎゅっと握られて、未沙は思わず顔を俯けた。

 なにやってるんだろう、私・・・・・

 輝に気を使わせて。
 せっかく食事に誘ってくれたのに。
 私ったら・・・・・

 自己嫌悪に陥りそうな彼女に気づいてか気付かずか、輝がのんびりした調子で切り出した。

「本当は、俺。どこでも良かったんだよね、飯食うのとか。」
「え?」

 ああもう、すべてぶち壊しだわ。

 そんなことを考えていた未沙は、輝の声に顔を上げる。見れば、少し後ろを歩く未沙を、振り返った彼がにっこり笑っている。

「でも、未沙に負担掛けたくなかったから、食事にしようかなーって思っただけで。」
「?」
「やっぱり、忘れてる。」

 歩みを止めて、輝は辺りに誰も居ないことを確かめると、そっと彼女を抱きよせた。腰に両手をまわして、彼女の顔を見下ろす。

「今日は、何の日でしょうか?早瀬少佐」
「え?」

 首を傾げる未沙の頬に、輝はちゅっとキスを落とした。ぼん、と彼女が耳まで赤くなる。そのまま、大事そうに男は、彼女を腕の中に閉じ込めた。

「今日、未沙の誕生日だろ?」

 あ。

 はっと身を固くする彼女を抱きしめたまま、輝は「やっぱり忘れてる」とため息交じりに、でもおかしそうに告げた。

「だから、俺としてはただ、一緒にいられればそれでいいかな、って思ったんだけどさ。どっかで食事でもして」

 でも、未沙、あんまり楽しそうじゃないから。

「ごめんなさい」

 思わず言葉が口をついてで、彼女が大急ぎで輝を見上げた。対して男は「いいって」と笑うと「これ、なんだ?」とぽん、と彼女に小さな包みを手渡した。

「・・・・・・・・・・・・・・・」
「あのさ、もうちょっとリアクションしてほしいんですけど?」

 受け取り、呆けたようにそれを眺める未沙に、輝が我慢できずに言えば「もしかしなくても、プレゼント?」と未沙がかすれた声で聞き返してきた。

「ほかに何があるのさ」
 吹き出しそうになるのを堪えて言えば、「だって!」と彼女が顔をあげた。

 その彼女に、輝は頬ではなくて、唇にキスをする。



 しばし、音が途絶える。



「だって・・・・・私・・・・・」
 ぎゅっと輝のコートにしがみつく未沙に、男は笑った。
「未沙が楽しければそれでいい。」
「・・・・・・・・・・」
「できれば、腹減ったから、飯は食いたいけど。」
 でも、レストランは嫌みたいだし、俺は料理って呼べるようなものは作れないし。
「もう・・・・・」


 ああもう、バカみたいだ。
 変なことにこだわって、危うく大事なものをぶち壊すところだった。

「最高の誕生日にしちゃうんだから」
 ぎゅっと抱きついた後、未沙は輝から身体を放し、ぎゅっと手を握り返した。
「何が食べたい?」

 歳相応の、かわいらしい笑みを浮かべ、楽しげな未沙に、輝は内心どきりとする。

(未沙が食べたい、なんて言ったら殴られるよな、たぶん)

 視線をそらし、男は楽しそうな彼女と並んで歩く。

「輝?」
 見上げてくる自分の大切な人に、輝は笑みを返した。

 やっぱり、俺の彼女はどんな時でも一番きれいだ、なんて勝手にのろけながら。














 初☆輝未沙(笑) 時系列とか地理とか、そんなん完全無視!なので、あんまり深く考えないでください~><


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