とりあえず萌えたものについて書いてこうかな
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突然ですが、マクロスFネタで!(笑)
今週の「レジェンド・オブ~」を観て突発的に思いついたものです>< してCPというよりは(現時点でCP要素が少ないというか・・・なので/笑)+的な感じのアルシェリです!
あー、段々このブログ、良い感じに雑多になってきましたねー(笑)
あちこちに立てられた撮影用の照明。それが、人工物とは思えない様子で寄せては返す海の波をちらちらと照らし出している。
夜風に身をゆだね、砂浜に座り込み、パネルの向こう、ニセモノの青空とは違う、銀河の星が煌く「ソラ」を見上げていたアルトは、近寄る気配にちらと視線を後方に向けた。
監督達が熱心に打ち合わせをする幕屋の明かりに、高揚した顔のランカが真剣な表情で今後の撮影の説明を受けている姿が浮かびあがった。
その視線に割り込むように、ひょいっとシェリルが顔を覗かせたのだ。
「なぁに?気になるの?今後の撮影。」
人懐っこいのか、意地が悪いのか、判断に困る「完璧な」笑顔を見せられて、アルトは仏頂面を返した。
「良い映画になりそうね。」
アルトの視線を追うように、真剣な顔で走り回るスタッフを見やり、シェリルは笑みを深める。
「関われてよかったじゃない。」
しゃがみ込み、にこにこしながら覗き込まれ、アルトは落ちつかなそうに視線を空に向けた。
「俺はパイロットだぞ。」
関係ないね、そんなこと。
両手を砂について、天を睨む彼の態度がぎこちなくて、シェリルは意地悪そうに口の端を引き上げた。
「ふ~ん・・・・じゃあ、パイロットさまは、キスくらい平気なんだ。」
「・・・・・・・・・。」
反射的にシェリルに振り返ったアルトに、彼女はすっくと立ち上がると目を細めてアルトを見下ろした。
「私はてっきり、役者根性からの台詞かと思ったんだけどなぁ。」
そう、パイロットはキスくらい平気なんだ。
なんとなく、どきりとするような物言いに、苦々しく視線をそらすと、アルトはふと思いついたことを口に出してみた。
「そういうお前はどうなんだよ。」
「え?」
嫌そうな顔でシェリルを見詰め返し、苦々しい口調で言うと、彼は視線を再び空へと戻した。
「俺は別にキスくらいなんともない。が、お前はどうなんだよ。」
「・・・・・・・・・・・。」
夕暮れ時、撮影とはいえ、ランカが自分とキスするのを戸惑い、マオの役を引き受けるかどうか迷っていたとき。
キスなんかなんでもない、と言い切ったアルトに、シェリルはあっさり口付けてみせたのだ。
あの時、アルトはからかわれたのだと、怒り心頭だったのだが、撮影が終わってしまった今、ふとこの隣に居る少女は何を思って自分に口付けたのか、気になったのだ。
ちらと彼女を見れば、腰に手を当てて仁王立ちの彼女の姿が、ほんのり明るい海に照らされて浮かび上がり、その微かに桜色の混じった金髪がふわりと風に舞うのが見えた。
「私を誰だと思ってんの?天下のシェリル・ノームが一々キスごときで躊躇わけないじゃない。」
「なんだよそれ。」
呆れた口調で問い返せば、シェリルがアルトを振り返る。丁度影になってシェリルの顔が良く見えない。
「別に・・・大したことじゃないわよ。」
いつもの通り、高飛車で、人に命令しなれたその口調に、アルトは「そうかよ。」とかすかに溜息混じりに呆れたように答えた。
「超有名な歌手さまとなると、誰とでもあっさりキスできるもんなんだな。」
先ほど冷やかされた台詞を、底意地の悪い気持ちで言い返す。視線の先の少女は、ついっと顔を背けると空を見上げた。
「私がしたいと思ったからしただけよ。」
「・・・・・・え?」
「良く聞きなさい、早乙女アルト。私はね」
まっすぐな横顔で、彼女は光り輝く星々の散らばる「ソラ」に手を伸ばす。
「やりたいと思ったことを、やってるだけよ。」
「・・・・・・・・・・。」
「その為の努力は惜しまないし、チャンスは逃さない。」
そのまま、ソラに差し伸べた手を握り締め、彼女はアルトを振り返った。
「それがシェリル・ノームよ。」
「・・・・・・・・・・・。」
ふふん、と不敵に笑う彼女に、アルトはつかの間視線を奪われた。初めて彼女を抱えてステージ上を飛んだときも思ったが、改めて思う。
この女は凄い。
凄すぎて得たいが知れない。
「・・・・・・つーか、お前・・・・したかったからしたって、なんだよそりゃ。」
「だからぁ・・・・・アルトのこと、からかっただけじゃない。」
それともなぁに?私とのキスが忘れられなくて胸が痛い?
腰に手を当てて覗き込む女に、アルトは「バカいえ」と声を荒げた。かすかに耳が赤くなっている。
「可愛いの。」
「煩い!・・・・・大体、お前・・・・」
「何よ。」
「折角自分の曲、映画の主題歌だったのにランカに取られちまって、良いのかよ。」
「ああ、あれ。」
あっけらかんと笑い、シェリルはその場に座り込んだ。膝を抱えて水平線をじっと見詰める。
限り有る水平線。
「いいじゃない。」
そのまま、彼女はこだわりのない笑顔を見せた。
「この映画に合うのは、ランカちゃんの歌なんだもの。」
「・・・・・・・プライドとかないのかよ。」
「ほんと馬鹿ね、アルトって。」
「はあ?」
人が折角心配していってやったのに、と眉を上げると、彼女の真剣な眼差しが彼を貫いた。
「歌ってのはね・・・・・一つの物語なのよ。」
曲があって、歌詞があって、声がある。
「それが全部合わさって、一つの世界を作り出すの。その世界をぶち壊すものに、歌を提供なんか出来るわけないでしょう?」
この映画の世界にあうのは、ランカちゃんの歌しかないのよ。
「へえ。」
彼女の真摯な態度に、アルトは驚いたように目を瞬く。それから、ふっと小さく笑った。
「結構お前、色々考えてんだな。」
のーてんきバカかと思ってたけどさ。
「はあ!?」
それに、今度はシェリルが眉を吊り上げた。
「どういう意味よ、それ!」
「だってそうだろ?いきなり転入してきたかと思えば、パイロット希望だとか言い出すし。ドキュメントとか撮り出して、正直、なめてんのかと思ったけどさ。」
やっぱ、お前凄いわ。
笑い出すアルトに、唇を尖らせて仏頂面をしていたシェリルはふと、後ろにある小島の緑や、山々、それから水平線を順繰りに見渡した。
「・・・・・・・でも・・・・・・。」
「ん?」
「本当に思ったのよ。ランカちゃんのあの歌と・・・・・この映画はよくマッチしてるって。」
かすかに目を伏せ、物思いにふけるように周囲を見渡すシェリルに、アルトは映画の内容を思い出した。
「鳥の人、だっけ?」
「そう・・・・・・。」
シンとサラとマオ。
「この話、どこまで本当なのかしら・・・・・・。」
「え?」
銀河を仰ぎ見、シェリルは手を伸ばす。
「さあ?史実半分虚構半分・・・・てか、虚構のほうが多いんじゃないのか?」
映画なんて。
「・・・・・・・・そう・・・・なのかしら。」
あの歌も、この話も、本当に娯楽だけの映画の世界なのだろうか。
「私は、あの歌と同じように・・・・確かに世界があるような気がする。」
「・・・・・・・・・・。」
彼女のまとう雰囲気がいつもと違い、引き込まれかけたアルトを、シェリルの真剣な眼差しが捕らえた。
「シェリル・ノームの勘よ。」
途端、彼は吹き出し、声を上げて笑い出す。
「な、何よ!」
こっちは真剣なのよ!?
赤くなるシェリルに、アルトは「あいっかわらずだな、お前って。」と笑い続ける。
その様子に、頬を膨らませていたものの、つられてシェリルも笑い出してしまった。
二人で、寄せては返す波打ち際で笑い続ける。
そうしながら、シェリルは、この映画にあることは本当なんじゃないだろうかと変な確信を抱くのだった。
鳥の人に連れて行かれたサラ。
彼女は今、どうしているのだろう・・・・・・。
「さて、明日からはバルキリー使っての戦闘シーンらしいし。早く寝とくかな。」
「ねえ、アルト。」
「あ?」
「それ、私にも」
「駄目だ。」
「けちー」
「お前な、自分の腕前わかってんのか?」
喧々囂々と言い合いをしながら、二人は立ち上がって砂浜を後にする。
四半世紀前の伝説を胸に。
なんか、甘々とは程遠いですが、あの撮影のあとこんなことあったんじゃねぇのかなぁ、的な妄想がとまらなかったのでやってしまいました><
割と頑張ったYO!
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