とりあえず萌えたものについて書いてこうかな
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最近読み始めた横溝正史の「金田一シリーズ」><
それをみてふと気が付く。
「このトリックを下敷きにして響茜できんじゃね?」
超安易!
でもやってみようかなぁ・・・・というわけでとりあえず、「黒猫亭事件」を下敷きにして、響茜!
事件発生
某月某日21時55分。
「今日も沢山のお客さんに割れんばかりの拍手を頂いちゃいました!」
スキップしそうな勢いで歩くのは、たった今、この坂の上にあるビビルバーという小さなお店でショーを成功させてきた、自称天才魔術師の成歩堂みぬきである。
若干14歳にして、「マジックパンツ」なる、パンツからつぎつぎと物を取り出すマジックと、ボウシくんと呼ばれる得意芸を持つ彼女は、連日ビビルバーで人気を博していた。そのくりっとした大きな瞳と、可愛らしい外見でリピーターも多い彼女を、一人歩きさせるわけにも行かず、送り迎えをしているのが、赤いスーツを着た、前髪が特徴的な王泥喜法介であった。
「毎日スゴイ人気だけど・・・・みぬきちゃんの持ちネタって増えてるの?」
嬉しそうにスキップをしながら、坂道を下っていくみぬきの後を、ゆっくり着いて歩きながら、法介が言う。
その言葉に、くるっと振り返ったみぬきが「王泥喜さん、失礼ですよ!」と眉を吊り上げた。
「そういう台詞は、成歩堂なんでも事務所の一番の稼ぎ頭になってから言ってください!」
「・・・・・・スイマセン。」
とある事情から、この『成歩堂なんでも事務所』に所属する羽目になった法介だが、いかんせん仕事が来ないのが現状である。
もっとも、弁護士、という肩書きを持っているにもかかわらず、何の因果かこのような『何でも事務所』に所属することになった所為で、弁護の依頼以外も引き受けなくてはならないわけで、結局は毎度探偵のまがいごとをしているような状態だった。
それでも、一番の稼ぎ頭のみぬきに叶わないのだから、やるせない。
(俺・・・・何処で人生間違えたんだろうなぁ・・・・・。)
スキップに、最近流行の曲を鼻歌で歌いながら先を行くみぬきの、大事な商売道具が入った鞄を持って歩きながら、法介は遠い目をした。
(やっぱりすべては牙琉法律事務所に入ったことが間違いだったかな・・・・・。)
どんよりした気分で、自分が所属していた事務所と、そこの所長が巻き起こした事件を思い返していると、不意にみぬきがぴたりと足を止めた。
「うわっと・・・・なに?」
ぼーっと考え事をしながら歩いていた所為で、身長の低い彼女にぶつかりそうになる。思わず蹈鞴を踏んだ彼の腕を掴んで、みぬきは「しーっ!」と人差し指を唇に押し当てた。
「王泥喜さん・・・・なんか、変な音がしませんか?」
「変な音?」
辺りは閑静な住宅街で、車も人通りもない。彼の立つ右側には、大きな壁のお屋敷が建っていて、そこが所有しているらしい雑木林が塀の向こうに見て取れた。その囲いから数歩下がった場所には、小さな喫茶店が建っているようだが、看板の明かりは消え、ひっそりと静まり返っている。
どうやらその喫茶店、建て替えられるらしく、店の入り口には木材や、建設道具と思しきものがブルーシートに包まれて積んであった。
そのひっそりした小さな店を、みぬきはじっと見詰めて耳をそばだてているのだ。
「変な音って・・・・どんな。」
暫くその場に佇んでいた法介に、みぬきは再び、しっ!と短く告げると耳を澄ますように手で指示をした。
「っ!」
その時、法介の耳にも、みぬきがいう「変な音」が飛び込んで来たのである。よく耳を澄ませていると、どうやらそれは何かを掘り返すような音であるらしかった。
さくっ、とシャベルかスコップか何かが土に埋まるような音がし、そのあと砂利の混じった、ざくざくという音がして、土を掘り起こしているような印象を受けた。
それが、時折休みながら、この住宅街に響いているのだ。
「・・・・・・・・・・。」
「どうしましょう、王泥喜さん・・・・・。」
不安げな表情で見上げるみぬきが、ぎゅっと法介のジャケットを握り締める。ごくん、とつばを飲み込んだ法介は、そっと閉まったままの喫茶店に歩み寄ると、少しだけ坂を上ってみた。
坂に沿うようにして住宅の並ぶこの辺は、高さを一定にするために、傾斜に沿って塀が作られていた。だので、坂の上の方の塀のブロックは短く、下に行くに連れて長くなっているのだ。
「ちょっと気になるし・・・・通報は国民の義務だし。」
ひそひそ声でそう告げると、法介は一番短い塀の上に手をかけると、勢いをつけて道路を蹴った。なんとか塀の上に上半身を乗り上げる。
と、そこに、小さな喫茶店の裏庭が見て取れた。
家の前面が店で、奥に居住スペースがあるのだろう。店の分だけ張り出し、その奥に小さな玄関と、その横に有る庭が、不意に雲の切れ間から覗いた月明かりにぼんやりと浮かび上がった。
(誰だ、あれは・・・・!?)
その、決して広くはない庭のずっと奥に、なにやら作業をしている人影を法介は認めた。
二人が思ったとおり、シャベルを振り上げてせっせと庭を掘っている。彫り上げた土が、ぱっと月明かりに舞うのを、ぼんやり眺めていると、痺れを切らしたみぬきが「どうかしたんですか、なにがあるんですか!?」とひそひそ声で囁いてきた。
「う・・・・うん・・・・・ここの家のひと・・・・かな?なんか・・・・庭を掘ってるんだよ。」
それに、みぬきがはっとしたように目を見張ると、もっと強く法介のジャケットの裾を引っ張った。
「それは変です、王泥喜さん!だって、ここの喫茶店のマスターと奥さん、10日も前に引っ越したんですよ?」
「え!?」
それに、今度は法介が驚いた。
「じゃあ、あれは・・・・・!?」
咄嗟に、茜さんに連絡すべきだと気付いた法介は、塀の下でぴょんぴょん飛んで、中を見ようとしているみぬきに、携帯電話を用意させた。
出来れば現行犯で逮捕したい。
(住居不法侵入、ってことになるのかな・・・・・?)
相手も自分も、なんて事を考えながら、法介は身体の全部を塀の上に持ち上げると、こちらに背を向けて、一心不乱に穴を掘り続ける人物にターゲットを絞った。
さあ、どうしようか。
「王泥喜さん、みぬきも・・・・・。」
こちらにまったく無警戒の背中を見詰めて思案していた法介は、隣によじ登ってくるみぬきに慌てた。
「だ、駄目だよ、みぬきちゃん!危ない」
「何が起きてるのかみぬきも知りたいです!」
王泥喜さんとみぬきは一蓮托生ですよ!
「やめてくれよ、縁起でもない・・・・・。」
小声でそんな応酬をしていると、ふいに、シャベルを振り上げていた謎の人物の動きが止まった。掘り進める内に、何かにぶつかったのかもしれない。
はっと緊張する二人が見守る中で、その影は膝をついて穴の中を、丁寧に手で払いだした。
やがて。
二人が見詰める中、その人物はびたり、とその動きを止めると、がくがくと震えだした。遠目に、月明かりの中でも分かるほどの震えだった。
その瞬間、法介は嫌な予感がして、慌ててみぬきを振り返った。
「みぬきちゃん、絶対にここから動いちゃ駄目だからね!」
「え?でも」
「でもは無し!いいね!?」
「・・・・・・・・・・。」
いつもと全然違う、真剣な様子で言われて、みぬきはぐっと言葉につまり、がくがくと頷いた。ただならぬ気配を感じたのか、彼女がぎゅっと携帯を握り締めて、110への通報を待機する。
そうして、みぬきを残して庭先に飛び降りた法介は、いつもの発声練習の成果を発揮するべく、声を上げようとした。
だがそれは、「ひぃやあああああ!?」という怪しい人物からの悲鳴にタイミングを逸してしまった。
がくん、と夜目にもその人物が、驚いて腰を抜かし、後ずさるのが見え、法介は今度こそ、と「何をやっている!?」と声を荒げた。
はっと、その影の人物が振り返った。泥だらけの手が、月明かりに浮き上がり、法介は声を出したことで得た勇気を武器に、つかつかとその影へと歩いていった。
「あなたは・・・・・。」
傍によって法介が見たのは、ひ弱そうに色白で、黒い髪に黒い切れ長の瞳を持つ、二十歳くらいの青年だった。
腕まくりをした白いワイシャツが泥にまみれ、革靴もしっかりと汚れていた。
「ここで、何をしてるんですか?この家の持ち主ですか!?」
尋問するような調子で訊ねて、法介は彼が掘り進め、そして腰を抜かした穴に視線をやった。
ぎゅっとみぬきが携帯を握り締め、心配そうに見詰める先で、法介は度肝を抜かれた。
ひゅっと息を吸い込む彼の横で、穴を掘っていた青年ががっくりと頭を垂れた。
「なんだってこんな・・・・・なんだってこんなこと・・・・・なんだって・・・・・なん・・・・・。」
うわごとのように繰り返す、青年の台詞。それを訊きながら、なんとか悲鳴を飲み込んだ法介が、恐ろしい形相でみぬきを振り返った。
「みぬきちゃん・・・・・・警察と・・・・それから茜さんに連絡して。」
「え?」
法介のあまりに強張った表情に、ぎゅっと携帯を握り締めていたみぬきが細い声で「なんて?」と訊ねた。
ぎゅっと唇を噛んだ法介が、胃の府から声を振り絞るように、彼女に告げる。
「この喫茶店の庭から・・・・・死体が発見されたってね。」
ありゃ。刑事クンも検事さんも出てこなかった>< 眠いので続きは後日・・・・・
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